中国は昨年12月、タイの工場の衛生状態に対する懸念から、タイ産砂糖製品の輸入を停止した。製品を積んだコンテナ船は2カ月間、中国の港に停泊していたが、罰金や経費の発生でタイへ撤退。損害は10億バーツ以上になるという。
プラチャーチャート・トゥラキットの報道によると、中国税関総局(GACC)は昨年12月10日、タイの食品安全当局がタイ工場の衛生状態について懸念を表明したことを受け、タイ産シロップ(HSコード1702901100)とプレミックスパウダー(HS コード1702901200)の輸入を一時停止。タイ74工場が中国の衛生基準を満たさず、安全面のリスクが高いと判断した。
タイ砂糖産業協会のトッサポン会長は、禁輸からすでに2カ月が経過したが、未だ中国の輸入許可が下りないと述べた。12月10日から、砂糖製品を積載したコンテナ約65個が中国の港に放置されたままで、罰金や販売価格の低下などの経費が発生。タイ輸出業者は泣く泣くコンテナをタイに撤退した。輸送費なども含め、損額は10億バーツ以上となる。
砂糖業界によると、中国から戻ってきた砂糖製品はタイ国内で販売。1トン当たりの価格は当初(590~595ドル)より安い530~540ドルだが、禁輸による経費を支払うより良いという。
現時点でGACCの禁輸解除時期は見通せず、砂糖製品輸出業者はフィリピンやインドネシアへの輸出を増やす方針。
中国が2023年に輸入したタイ産砂糖製品額は9億8252万ドル(298億732万バーツ)で、国別首位だった。