タイのドリアン輸出が混乱している。中国の税関(GACC)がこのほど、タイ産ドリアンから発がん性着色料「ベーシックイエロー2」を検出し、タイ産ドリアンの輸入を一時禁止した。コンテナ約100台分の完熟ドリアンがタイへ返品され、損害は約5億バーツに上るという。
タイ政府広報局によると、中国のタイ産ドリアン一時輸入禁止措置を受け、タイの農業協同組合省は輸出向け果物の検査を強化すると発表。ドリアンを含む全ての果物は、ベーシックイエロー2やカドミウム、ドリアンワームなどを含んでいないか確認する必要がある。
現地報道によると、春節に向けた果物輸出が増加する時期で、タイ当局は新たな輸出前検査措置を早急に発効する意向。違反した輸出業者には罰金が科され、輸出許可を失う可能性がある。イッティ農業副大臣は、20日までに中国向けドリアン輸出を再開する予定だと述べた。
同省は11日、ベーシックイエロー2の含有に関する証明書類の不足のため、中国の南寧空港でタイ産ドリアンの輸出が止められたと報告を受けていた。
同省は昨年9月、南部チュムポーン県の中国資本の輸出向けドリアン梱包工場で、ベーシックイエロー2が使用されているのを発見。同工場に対し、使用中止命令を出したが、1カ月後の調査で使用が続いていることが判明し、警告書を発行していた。