タイのタクシン・シナワット元首相は13日午後、東北部ウドーンターニー県行政機構(PAO)の次期行政長官選挙にタイ貢献党から立候補したサラーウット・ペットパノムポーン氏の応援に駆け付け、群衆を前に演説した。国外逃亡後、タクシン氏が公の場で選挙活動をするのは18年ぶり。
マティチョンなど現地報道によると、タクシン氏は13日午後3時頃、ウドーンターニー国際空港に到着。空港には「赤シャツ」と呼ばれるタクシン氏の支持者が集まり、プラカードを掲げるなどして到着を歓迎した。
同県クムパワーピー郡の寺院で開かれた選挙集会に出席したタクシン氏は、サラーウット候補に投票するよう呼び掛け。1万バーツを給付するデジタルウォレット政策や債務再編計画、違法麻薬の取り締まり、教育の推進など、現政権の政策について語り、来年はタイ経済が改善し、政府の政策は国民を幸せにすると聴衆に訴えた。
一部のアナリストは、タイ貢献党が同県で再び優位に立とうと決意していると分析。同県はタイ貢献党の政治的拠点で通常は圧勝するが、昨年の選挙では10選挙区のうち3選挙区で敗北した。
同県の次期行政長官選挙は、現職のウィチアン・カオカム氏が健康上の理由で任期満了の2か月前に辞任したことを受け、11月24日に実施される予定。