タイのティラユット・スワンケソーン弁護士は10日、国家転覆の疑いで、政府中核与党のタイ貢献党を憲法裁判所に提訴した。弁護士は、ペートンターン・シナワット首相の父親であるタクシン・シナワット元首相が、政権の中核であるタイ貢献党に影響を与え、立憲君主を脅かしていると主張している。
プラチャーチャート・トゥラキットなど現地報道によると、ティラユット弁護士は10日、約5000ページに渡る請願書を裁判所に提出。立憲民主党を脅かす事件として、「職権乱用罪で有罪判決を受けたタクシン氏が、タイ貢献党を利用して刑期の短縮を図った」ことや、「タイ貢献党主導の政権樹立と娘のペートンターン氏の首相任命に、タクシン氏が主導的な役割を果たした」など6項目を挙げた。
ティラユット弁護士は、個人の自由意志に基づき単独で行動していると主張。国民国家の力党(パラン・プラチャラート党)のプラウィット党首らの代理で行動していることを否定したが、同党のパイブーン書記長に相談を求めたことを認めた。パイブーン氏は、ティラユット弁護士と請願書について話したが、政党は請願に関与していないと述べた。
ティラユット弁護士は、前進党の解党を求める請願書を提出した弁護士。
一方、プラサート・チャンタラルーントーン副首相兼デジタル経済社会大臣は10日、「詳細は不明だが、特に心配していない。党の法律チームを設立して対処する」と述べた。