7日午後4時頃、タイ南部クラビー県のシボヤ島にある麻薬中毒者のリハビリ施設から、患者約100人が脱走したと警察に通報があった。脱走者らは、施設での虐待を訴え、自宅への帰宅を求めているという。
タイラットの報道によると、同県ヌアクローン郡のクローンカナーン警察署は、脱走者らが事件を起こすことを心配した島民の通報を受け、約30人体制で現場へ向かった。
脱走した患者らは島の桟橋付近に集まり、リハビリ施設での身体的虐待と、劣悪な環境に耐えかねて脱走を計画したと話したという。警察は患者らと2時間に渡り協議。約80人の帰宅を許可した。
バンコク・ポストの報道によると、患者らが脱走したのはシボヤ島のポンドック・コー・シボヤ更生センター。運営者はタイ教育・孤児中央イスラム評議会財団。
患者らは、施設では深刻な身体的虐待を受けたと証言。昨年12月には31歳の男性患者が死亡したという。男性の母親は、12月18日に3万2000バーツ(約13万6000円)を施設に支払い、男性を施設へ送ったが、2週間後に死亡の連絡を受けた。施設で男性の遺体を確認したところ、体には入所前には無かったあざがあったと話している。
また患者らの証言によると、麻薬依存症が治癒した後も帰宅を許可されず、強制的に施設で働かされたという。