タイの人気観光地パタヤのナイトビジネス事業者協会会長が「中国の警察官を配備してほしい」と発言し、物議を醸している。パタヤに多く訪れる中国人観光客の信頼を高めることが目的だという。こうした発言に対し、セター首相は13日、「中国の警官はタイでパトロールしない」と声明を発表した。
カオソッド・オンラインの報道によると、パタヤ市ナイトビジネス事業者協会のラムプン会長は、観光会議の場で「パタヤ市に中国の警察官を配備して欲しい」と述べた。パタヤ市には多くの中国人投資家や観光者が訪れる一方、中国人観光客同士で揉めたり、タイの中国人犯罪者が中国人観光客をターゲットにしたりするケースも多いため、中国警察を配備すれば中国人の安全性が高まると提案した。
ザ・ネイションの報道によると、APEC首脳会議のため米サンフランシスコに到着したセター首相は13日、「タイに中国警察を配備しない。タイの街を巡回するのはタイ警察のみだ」と記者団に語った。中国人観光客の信頼強化に向け、タイ当局は、中国警察と情報を共有するのみだという。
政府が中国警察をタイに配備するとの報道は、ネット上で「国の主権の侵害だ」などと広く批判されている。