日本政府は、バンコク都の寺院ワット・アルン(バーンコークヤイ区)で貧困孤児を支援している団体「コミュニティラーニングセンター」に、総額213万4200バーツを供与した。ワット・アルン地下に教室3室を整備する。
支援は草の根・人間の安全保障無償資金協力によるもの。同団体は、貧困により人身取引の被害の恐れが高い生徒を受け入れる団体で、2006年に発足した。ワットアルン構内で毎年約20人を受け入れ、看護助手になるための奨学金制度や、英語・コンピュータースキルの授業が提供されている。タイ文化や道徳の教育も行われている。
教育活動には、ワットアルン寺院内の地下教室(2室)と屋外スペースを利用してきたが、極めて手狭な環境だった。寺院の地上部分には新たな教育施設を建設できないことから、地下部分に追加の教室を整備し、教育環境の改善を図るという。昨年12月25日に計画の贈与契約署名を実施していた。
10日にコミュニティラーニングセンターで引渡し式典があり、バンコク都事務次官のカジット・チャッチャワニット氏、タイ教育省インフォーマル教育推進事務局長代理のルンアルン・サイソーポン氏、コミュニティラーニングセンターのハルタント・グンナワン・ディレクター、在タイ日本国大使館の梨田大使ら関係者が出席した。
また式典後にはワット・アルンの御堂で同センターの卒業式があり、看護服などを着た生徒らが卒業証書を受け取った。在タイ日本大使館は「卒業生がセンターでの学びや経験を活かして、自立して社会に羽ばたくことを心より願っています」と述べている。