スラユット首相兼内務大臣は24日、パラン・プラチャーチョン党のサマック党首が23日、クーデター勢力側が同党の政権奪取を阻止する為のメディア等を利用した印象操作を指示した疑惑を裏付ける二つの機密文書の存在を明らかにした事に関して、問題の機密文書が本物であることは認めたが、文書の中でパラン・プラチャーチョン党や旧政権勢力の政権奪取の阻止に向けた指示事項が記されているとの指摘に関しては事実では無いと否定した。 パラン・プラチャーチョン党のサマック党首によると、問題となってる二つの機密文書には当時国家安全保障評議会議長だったソンティ議長の署名がなされており、それぞれにはパラン・プラチャーチョン党を中心とした旧政権勢力の復権及びサマック氏の次期首相就任を阻止する為に、旧政権勢力の復活により国内情勢が激化し国民同士の衝突が発生するおそれがある、旧政権勢力の復活により民主主義市民連合が活動を再開し再度クーデターが発生する事に繋がり得る、パラン・プラチャーチョン党が目指す経済政策は国王が提唱する充足を心得た経済思想と相容れない、サマック党首が絡む汚職疑惑を喧伝し同氏が首相として不適格である等といったイメージをメディアを通じて植え付ける等の印象操作を基本においた指示が記されているという。 この指摘に対してスラユット首相は、問題となっている機密文書には旧政権勢力の復権阻止に向けた指示事項は一切記述されていないと語りサマック党首の指摘を否定した上で、メディアを利用した印象操作や過激な手段を講じた対策を指示したと指摘されている事に関しては、国家安全保障評議会側が真相解明を行った上で回答する事になると語った。 尚、スラユット首相の発言に先立ち国家安全保障評議会のサンスゥン報道官は、サマック党首が指摘した機密文書の存在を否定した上で、パラン・プラチャーチョン党側が偽の機密文書を高額で掴まされたのではないかとの考えを示していた。 一方、サマック党首が機密文書による指示に基づき選挙票の買収問題という国家的緊急課題に取り組むために、スティポン選挙委員会事務局長に対してソンティ副首相を委員長とした専門員会の設置の検討を指示したと指摘している事に関して、ソットシリー選挙委員会委員は、パラン・プラチャーチョン党と国家安全保障評議会間の対立に選挙委員会を巻き込むことを意図したいわれのない中傷であると指摘した上で、同委員会がソンティ副首相を委員長に指名したのは適材適所に基づいた判断であると指摘した。 参考(印象操作に利用されたかもしれない世論調査)
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