タイ飲料大手のタイ・ビバレッジは、2023年10月~12月の売上高が、前年同月比5.9%減の761億700万バーツだったとシンガポール証券取引所に報告した。特に、収益性の高い商品であるビールの売上は、同14%減の326億1900万バーツ。販売量は同15%減少した。
クルンテープ・トゥラキットの報道によると、同社は売上が縮小した要因について、タイとベトナムの経済回復の遅れだと説明。同社傘下のベトナム・ビール大手、サイゴンビール・アルコール飲料総公社(サベコ)も、ベトナム証券取引所に対し、2023年10月~12月の売上収益が同15%減少したと報告している。
タイ・ビバレッジ単体の2023年度のビール販売量は、前年比6.6%減の22億4040万リットル。売上高はサベコを除くと2%減に留まっている。
2023年のタイ国内のビール市場は約2600億バーツ。プレミアム部門が5%、スタンダート部門が20%、大衆向けの低価格部門が75%になっている。昨年はエナジードリンク製造のカラバオ・グループがビール生産に新規参入するなど、競争が激化。ビール業界の情報筋によると、タイ・ビバレッジの業界シェア率は低下する可能性がある。