コスモ石油とタイ総合エネルギー会社のバンチャック社(バンコク)は6日、バンチャック社が生産する持続可能な航空燃料(SAF)をコスモ石油が輸入するフレーム合意書を締結したと発表した。
6日に開かれた締結式には、コスモ石油の鈴⽊康公代表取締役社長と、バンチャック社の石油精製・トレーディング事業部門COOのPativat Tivasasit氏が出席。駐日夕イ王国大使館のチャンタパット・パンジャマーノン公使も来賓として招かれた。
鈴木社長は「脱炭素化社会の実現に向けた大きな一歩だ。バンチャック社と更なる連携や協業を模索し、カーボンネットゼロの実現に向け相乗効果を生み出していきたい」と挨拶。Pativat Tivasasit氏は「合意書締結は、両社の10年以上に渡る良好な関係の成果であり、協力事業に向けて大きな一歩を踏み出した」と述べた。
コスモエネルギーホールディングスとコスモ石油、バンチャック社の3社は、今年3月に脱炭素分野を中心とする共同検討に関する覚書を締結していた。SAF輸入は共同検討領域の1つだった。
バンチャック社は2022年9月、タイ初となるSAF製造の事業計画を公表。バンコク首都圏に位置する製油所で、廃食用油を原料とする日量生産能力1000 キロリットルのSAF製造プラントを建設し、2024年末頃から商業生産を開始する予定。生産開始から10年間は、生産数量の一部をコスモ石油へ輸出する。
コスモ石油は2030年に、年間30万キロリットルのSAF供給量を目指す。調達先の多角化の一環として、バンチャック社生産品の輸入を行うという。