今月20日から上映開始となった米映画「ハンガー・ゲーム:モッキング・ジェイPart1」だが、タイの政情悪化を招く恐れがあるとして、バンコク都内の「スカラ」・「リド」といった映画館で上映が見送られた。
現在タイでは政治的な意味合いで禁止されている3本指を空に向かって突き立てる(抗議の意味を表す)表現があるが、その元となった映画「ハンガー・ゲーム」の続編となる。
19日にタクシン派支持者が多いタイ東北部コーンケーン県で、クーデターを実行したプラユット首相が演説中に、クーデターを批判するTシャツを着た学生5人が3本指を突き立て、警察官らに拘束される事件が起きたばかり。また翌20日には、バンコク都内サイアム地区で、民主主義のための自由タマサート連盟(LLTD)が行っていたクーデター抗議活動で、3本指を突き立てた男子学生が警察官に拘束されている。
今回上映が見送られた理由は、この映画が独裁政治への抗議のシンボルになっているため。
現プラユット首相は、陸軍最高司令官だった今年5月に戒厳令を発令し軍事クーデターを起こした人物で、タクシン派政権から全権を奪い取り、首相に就任した。現在もタクシン派支持者らの活動激化を抑えるため、戒厳令を解除していない。