タイ保健省精神保健局はこのほど、2024年の自殺による死者が5000人を超えたと報告した。1時間当たり平均4人が自殺を試みているという。
プラチャーチャート・トゥラキットなどの報道によると、バンコクの商業施設でこのほど、世界自殺予防デーに合わせて「生きる力」イベントが開催された。タイ自殺予防協会や精神衛生局、バンコク都などが主催。自殺傾向や人工知能(AI)によるメンタルヘルス支援などに焦点を当てたパネルディスカッションがあり、「全ての命に価値があり、いつでも支援を得られる」とのメッセージを強調した。
同局のジャンポット副局長は、自殺による死者数が5126人に達し、10万人当たり7.89人だったと報告。20~59歳の年齢層が最多で3635人、次いで60歳以上が1345人、15~19歳が122人、5~14歳が24人だった。
自殺未遂率は10万人当たり49.42人で、1時間当たり平均4人。年齢層は15~19歳が最多で、10万人当たり136.4人だった。
キティサック局長は世界保健機関(WHO)の調査結果を引用し、自殺による死者1人の影響で、両親や配偶者、親戚、親しい友人など少なくとも6人がうつ病を発症するリスクがあり、自殺に至る可能性を警告。自殺の危機にある人だけでなく、その家族や友人に対する包括的な支援の必要性を強調した。
同局は、メンタルヘルスホットライン1323を15回線から60回線に拡大し、24時間体制で対応する。