タイ工業省工業経済局(OIE)の3月28日発表によると、2025年2月の製造業生産指数(MPI、基準年2016年=100)は、世界経済の不確実性と家計債務の急増で民間消費が減速し、前年同月比3.91%低下した。一方、観光と輸出は経済を支えるプラス要因だと指摘した。
公共放送PBSの報道によると、OIEのパーサゴーン局長は、世界経済の不確実性と、高水準にある家計債務問題により、民間消費が継続的に減速していると指摘。米国の追加関税措置の影響で安価な中国製品が流入し、タイの製造業に打撃となる可能性があると述べた。
2月のMPIは前年同月比3.91%減の96.18。設備稼働率は59.01。
観光部門は外国人旅行者の増加で拡大が続き、タイ経済のプラス要因となっている。輸出額も同14%増加して8カ月連続で上昇。工業製品の輸出額は同17.2%増加。金・武器を除く実物部門は同17.1%増。
輸出が増加した品目は、宝石・アクセサリー、コンピューター機器・部品、エアコン・部品。
また、3月のタイ産業経済警報システムは「正常」。今後4~6カ月間は回復が続くとしている。
2月のMPIにプラス要因となった主要産業は、生産量が同4.7%増加した製糖業界と、ゴム関連品は5.41%増、魚類缶詰20.75%増だった。
一方で、家計債務の解消は困難を極めており、特に自動車業界にマイナスの影響を与えている。金融機関の自動車ローン融資が依然として厳しく、自動車販売は同12.71%減少。MPI下落の主要要因の1つとなった。