タイ・バンコクで建設中の国家検査院ビル(チャトゥチャック区)が、28日にミャンマーで発生した地震の影響で倒壊した事故について、現地メディアは30日、工事を担当する建設業者は中国とタイの合弁会社で、ビル倒壊後に作業員が書類を持って逃走したと報道した。
現地報道によると、ビルの建設事業者は、中国国有企業の中国鉄道工程総公司(CREC)傘下のイタリア・タイ開発有限公司と、中国鉄道第10工程グループ子会社の合弁企業。
バンスー警察は、立ち入り禁止となっているビル倒壊現場に中国人作業員らが侵入し、書類を持って逃走したと通報を受け、中国人5人とタイ人通訳1人を30日に拘束。請負業者や下請け業者に関する情報を含む書類37件を押収した。4人は合弁企業所属の会社で働いており、労働許可証を持っていた。
アヌティン内務相は、合弁に携わるタイと中国の両社が、ビル崩壊の責任を負うと主張。事故調査委員会が中国人らの行動についても調査すると述べた。
政府は公共事業・都市農村計画局(DPT)にビル倒壊の原因を調査するよう指示。建物の設計や設計を承認した当局、承認方法などについて調査を開始した。
工業当局は倒壊の原因について、基準を満たさない鉄筋が使用され、コンクリート柱や梁、基礎構造の強度に影響した可能性があるとしている。
倒壊したビルは国家監査局の新本部で、30階建て。同局が両者に建設を委託。予算は21億バーツ。