外務省は29日、2024年10~12月のタイの治安・一般犯罪などに関する情勢を公表した。在タイ邦人の犯罪被害者は54件で、前四半期比10件減少。入管法違反や恐喝などの罪でタイ警察に逮捕された邦人は8人で、2人が退去強制となった。
外務省によると、邦人の犯罪被害で一番多いのはスリで、二番目は詐欺盗(見せ金詐欺など)。
また近年、SNSなどで高額報酬などの好条件の求人情報を提示された外国人が、タイに渡航した後、隣国ミャンマーのシャン州タチレク市やカレン州ミャワディ市に連れ去られ、違法労働を強要される被害が発生しているとして、注意を呼び掛けている。
2021年2月に発生したミャンマーのクーデター以降、国境周辺地域は少数民族武装組織の実効支配が続いており、ミャンマーの現「政権」の統治が及ばない地域となっている。また周辺では戦闘も激化しており、治安当局による救出や解決は容易ではなく、日本国大使館による迅速かつ十分な支援ができない可能性があるとしている。
テロ情勢に関しては、イスラエル政府が昨年11月30日、東南アジア、特にタイで、イスラエル人に対するテロの脅威が高まっているとして、東南アジアに滞在するイスラエル人に向けて公式に警告を発出した。タイ国内では今後、旧正月やソンクラーン祭りの大規模イベントが各地で開催される見込みで、不測の事態に巻き込まれないよう注意喚起している。
タイ深南部(ヤラー県、パッタニー県、ナラティワート県、ソンクラー県)でのイスラム武装勢力が関係すると思われる銃器・爆発物を使用したテロは、月平均約17件発生。ヤラー県、パッタニー県、ナラティワート県、ソンクラー県の一部(ジャナ、テーパー、サバヨーイ各郡)は、外務省が危険情報「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」を発出している。ソンクラー県の各郡には、「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」の危険情報を発出している。