タイ警察とタイ地方電力公社(PEA)は12日、南部スラートターニー県ムアンスラートターニー郡の商業ビルなど9カ所を9~10日に家宅捜索し、暗号資産マイニングによる電力泥棒の容疑で男2人を逮捕したと発表した。
タイラットなどの報道によると、損害は1000万バーツ超。警察は暗号資産マイニング機器111台とノートパソコン7台、インターネットルーター10台、改造電気メーター10台を押収した。
逮捕されたのはナッタポン容疑者(30歳)とアルティット容疑者(30歳)。警察によると、今年9月、無人の商業ビルに複数の監視カメラが設置されていると市民から情報提供があり、警察が捜査を進めていた。
捜査によると、ビルの借主がナッタポン容疑者で、同ビルを含めビル7軒をレンタル、住宅2軒を所有していることが判明。同容疑者は2023年1月から2024年7月までに、約4000万バーツ超の金融取引をしていたことが分かった。
また警察とPEAがビルの電気使用量を確認したところ、電力消費量に比べ、電気料金が異常に低いことが判明。当局は何者かが電力メーターを改造し、暗号資産マイニング機器に使用する電力を違法に使用していると予測していた。
数十億回の計算が必要な暗号資産マイニングは、膨大な電力を消費する。PEAの調査によると、暗号資産マイニング機器111台の本来の電気料金は1カ月当たり約100万バーツ。犯行は1年以上に渡るため、違法に使用された電気料金の損害は約1000万バーツになるという。
警察によると、ナッタポン容疑者は昨年末に違法ビジネスに手を染め、中古の暗号資産マイニング機器を入手したと供述。アーティット容疑者は電力メーター9カ所の改造と、電力供給網の保守のために雇われたという。