タイなどアセアン6カ国と日本、中国の中で、「自由が欲しい」と答えた人が最も多い国はタイ-。博報堂生活総合研究所の調査で、そんな実態が明らかになった。
博報堂生活総合研究所は、博報堂生活綜研(上海)と博報堂生活総合研究所アセアンと協働で、8カ国の生活者のライフスタイルや行動を把握することを目的に、第2回「グローバル定点」を実施した。1月15日から31日の期間、15~59歳の男女 1万1000人を対象に、インターネットで調査した。
調査結果によると、「自由が欲しい」の項目では、タイが8カ国中最高の37.8%だった。2位はベトナム(35.2%)、3位はマレーシア(35.1%)。日本は29.1%で5位。
タイでは政治経済が不透明で、選挙で民意を示しても反映されづらいことから、「期待してもしょうがない」といった諦めを生活者が抱えていると分析。「自由に自分の意見を表明したい」「お金の苦労から解放されたい」「家族と楽しく暮らしたい」などの欲求が、「自由」を欲するスコアに反映されたと推察した。
日本が首位の項目は、「自分の将来イメージは暗い」で40%。2位はシンガポール(14%)、3位はマレーシア(8.5%)で、日本は突出して高い数字となった。タイは4位(6.7%)だった。
日本社会の将来に関する悲観的なキーワード(人口減少、超高齢化、少子化、社会的孤立など)を見聞きすることが多いことが、数字を押し上げたと分析。コロナ禍前の暮らしに戻りつつある一方、相次ぐ物価高などの新たな生活課題が生まれ、生活者は将来を悲観的に捉えている可能性があると推察している。
また「自分がもらう年金に不安を感じる」の項目でも日本は最上位で、44.9%と突出して高い数字となっている。
中国は「家庭生活よりも仕事を第一に考える方だ」の項目で首位(39.5%)。2位はベトナム(22.9%)、3位は日本(22.6%)。タイは4位(20.9%)だった。
ベトナムは「若者が主役の世の中だと思う」の項目で首位(34%)。2位はインドネシア(31.6%)、3位はマレーシア(31.1%)。タイは4位(29.2%)、日本は最下位(13.3%)だった。
インドネシアは「経済的に余裕がある方だ」の項目で首位(84.6%)。2位は中国(82.6%)、3位はシンガポール(75.1%)。タイは7位(68%)、日本は最下位(24.8%)だった。
フィリピンは「円満な家族関係に満足している」の項目で首位(63.5%)。2位はインドネシア(58.9%)、3位はマレーシア(52.7%)。タイは6位(41.8%)、日本は最下位(26.6%)だった。
マレーシアは「お金は命の次に大事なものだと思う」の項目で首位(32%)。2位は同率でタイとインドネシア(28.7%)。4位は日本(23.8%)だった。
シンガポールは「昔に比べて妻に対する夫の力は弱まったと思う」の項目で首位(25%)。2位は日本(22%)、3位は同率でベトナムとマレーシア(19.3%)。タイは5位(19.1%)だった。