タイのピチット・チューンバーン首相府大臣は21日午後、辞任した。10年前に汚職罪で有罪判決を受けたことで、閣僚就任の適格性が問われていた。上院議員40人は、セター・タビシン首相の任命責任について、閣僚倫理違反として審議するよう憲法裁判所に請願を提出。23日午前10時から請願の受理について検討が始まっている。
公共放送PBSの報道によると、ピチット氏は4月28日、内閣改造で首相府大臣に就任したばかり。在任期間は23日間。ピチット氏は21日午前、辞職しないと述べていた。午後遅くにイタリアを公式訪問中のセター首相に辞意を伝えた。
バンコク・ポストの報道によると、ピチット氏は、上院議員の行動について、セター首相を排除することが目的だと発言。同氏は、首相官邸や王立警察、国家汚職防止委員会、司法当局が大臣に就任する資格と適格性を確認したと指摘した。
ピチット氏は閣僚就任前、セター氏の顧問だった。またそれ以前に、タクシン・チナワット元首相の弁護士を務めていた際、現金200万バーツが入ったスナック・ボックスを最高裁判所職員に贈ろうとした「スナック・ボックス」事件で、懲役6カ月の実刑判決を受けていた。
ピチット氏は、スナックの箱に入っていた現金について同氏が知っていたという事実は、裁判所による「思い込み」だと付け加え、無実を訴えた。