タイのセター・タビシン首相は28日、就任後初となる内閣改造人事を発表した。新たに6人が入閣し、4人が退任した。セター首相が兼任していた財務大臣には、タイ証券取引所の前所長であるピチャイ・チュンハバジラ氏を起用。一方、パーンプリー副首相兼外務大臣は辞任した。
公共放送PBSの報道によると、ピチャイ氏は、ビジネス・経済のセター首相の顧問として活躍。新財務大臣として、政府の目玉政策「デジタルウォレット」政策の監督・推進が期待されている。
ピチット・チュエンバン氏は首相府大臣として入閣。同氏は、タクシン元首相やインラック・チナワット元首相と緊密に協力した弁護士として知られている。2008年に収賄スキャンダルで6カ月の実刑判決を受け、刑期を終えた後にタイ貢献党の議員となった。
ジラポーン・シンドプライ氏は首相府大臣として入閣。タイ貢献党の副党首チームに所属する36歳で、ローイエット県選挙区選出。元選挙区議員の父親は「赤シャツ」デモの中心メンバーで、母親と妹もタイ貢献党の同県選挙区議員だった。
パオプム・ロジャナサクン氏は財務副大臣として入閣。同氏は41歳で、タイ貢献党の新世代メンバーの1人。党副幹事長を4期務めた後、党副党首に昇進した。
スチャート・チョムクリン氏は 商務副大臣。同氏は、チョンブリー県行政組織の一員として政界入り。昨年、タイ統一党に参加した。プラユット・チャンチャオ政権では労働大臣を務めていた。
アタコーン・シリラタヤコーン氏は農業協同組合副大臣。同氏は元経営者。元運輸副大臣でチャチューンサオ県の元選挙区議員である父親の後を継いで政界入りした。当初はタイ貢献党に参加し、2019年の選挙前にパラン・プラチャーラート党へ移った。
パーンプリー氏は、これまで兼任していた副首相の肩書きが外れ、外務大臣のみになっていた。パーンプリー氏は辞任の理由について深くは説明せず「自らの原則を守りたい」と述べているという。