タイ政府は27日、観光客の誘致を目指し、カジノと娯楽施設に関する法案を承認した。内閣が承認した草案では、カジノに入場するタイ国民は、入場料5000バーツと銀行預金額5000万バーツ以上の証明が必要。事実上、タイ国民の入場を大幅に制限する。
タイラットなどの現地報道によると、ペートンターン・シナワット首相は閣議後、首相府で記者会見し、法案の最終決定権は国会にあり、草案の詳細は最終的なものではないと述べた。また法案の目的について、季節を問わない新観光事業の創設だと語った。
今後、下院が法案を審議。可決した場合は、上院と国王陛下の承認を得ることになる。
タイ政府の声明によると、法案では娯楽施設内のカジノエリアを10%に制限。残り90%は、5万人を収容できる大型コンサートホールや屋内スタジアム、ウォーターパーク、ホテル、レストランなどで構成される。
タイ政府は、カジノと娯楽施設が生み出す経済効果について、収益を1190~2380億バーツ、外国人旅行者を年間5~10%増、年間の政府収入120~390億バーツ、その他企業からの年間税収80~350億バーツ、年間のカジノ税収32億6400万バーツと試算。雇用創出にも効果があるとした。
ジラユ政府報道官は、2月28日から3月14日に実施したオンライン公聴会に回答した約8万人のうち、80%が法案を支持したと述べた。
一方、最新の世論調査では、多くの国民がギャンブル合法化による悪影響を懸念。27日には約80人が首相府前で抗議した。