タイで毎年、旧暦12月(10~11月頃)の満月に開かれるお祭り「ローイクラトン」が、27日始まった。28日までの期間中、各地で灯ろうを川に流す幻想的な景色が見られる。
タイ国政府観光庁によると、ローイクラトンは、河川の水位が最も高くなるこの時期の満月の夜に、灯ろう(クラトン)を川に流して、川の女神へ感謝を捧げる風習。
地方によって形式が異なり、バンコクではチャオプラヤー川を中心に街全体で催しを開催。チェンマイでは祭りを「イーペン」と呼び、クラトンを模した山車のパレードがある。
ローイクラトンの発祥の地であるスコータイでは、遺跡を舞台とした大規模なイベントが行われ、ターク県ではココナッツの殻で作った灯ろうをピン川に流す。運河の街アンパワーでは、長く途絶えていたロイクラトン・カーブグルアイ祭りが復活して人気を集めているという。
またタイ政府広報局によると、タイ文科省文化振興局は、2024年のユネスコ無形文化遺産へのローイクラトンとムエタイの登録を目指し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ提案する準備を進めている。
同局によると、ローイクラトンとムエタイの文化要素に関する知識を集めた文書を作成。現時点で70%完了しているという。提案書は2024年3月31日までに閣議決定し、ユネスコに提出する予定。ユネスコの検討プロセスは、通常3~5年。