タイの首都バンコクのショッピングモール前で物乞いをしたとして、タイ警察は21日、重度の身体的虐待を受けたと見られる中国人女性を逮捕した。タイラットなどタイ各メディアが報じた。
中国人女性は21日午後3時30分ごろ、ピンクラオ地区のプラティナム・ファッションモール前で、タイの学生服を着用して物乞いをしていた。女性の顔は酸によるやけどを負っており、両手両足は切断されていた。
ザ・ネイションの報道によると、警察当局は女性のカバンから約1万バーツのお金を発見。女性の銀行口座を調べたところ、毎月200万バーツの送金記録があった。警察によると、女性は人身売買組織の構成員の疑いがあるという。
女性は警察に対し、タイの法律で物乞いが禁止されていることを知らず、物乞いとして働くために11月10日にタイへ入国したと供述。離婚歴があり、中国に息子が2人いるため、養う必要があると話しているという。身体の傷は、幼少期に遊んでいた最中、車の中で液体の入った物体が爆発してできたと主張した。
中国人物乞いはバンコクで度々目撃されている。今回逮捕された女性も、警察当局が示す外国人物乞いの特徴と類似。全員が中国国籍で、年齢は40歳以上。パスポートを所持しておらず、逮捕後に通訳を名乗るタイ人が現れ、保釈金を支払いを申し出るという。警察は、背後に人身売買組織が関与しているとみて、調べを進めている。