タイで新首相に就任したセター氏は11日、国会で施政方針演説を行い、大規模で短期的な緊急経済刺激策として、6カ月以内にデジタルウォレット1万バーツの配布を実現すると表明した。
セター首相は、デジタルウォレット政策を重要視。使用範囲を実家から4キロメートル以内とする条件について、「反対意見もあるが、地域経済の刺激が目的で、故郷で使うべきだ」としながら、今後検討するとした。
農業・ビジネス・公共部門の債務軽減策に関しては、農民に対し債務猶予措置を実施することや、コロナ渦による負債の支援措置を検討する。4年以内に農業従事者の収入を3倍に増やし、農業の回復を支援。光熱費やガスなどの燃料費用の負担も軽減するとした。
観光業は、ビザ申請の簡略化などを支援し、観光収入の拡大を目指す。年間収入目標は3兆バーツ。
また、最低労働賃金の引き上げも目指す。4年間で年平均5%の経済成長で、最低労働賃金を1日当たり600バーツ、大学卒業者の月給を2万5000バーツまで引き上げることが可能になるという。
憲法改正については、諸外国に認められるよう、国民全体が参加できるよう努力すると述べる一方、王室に関連する第1と第2条は堅持するとした。