各報道によると、アピシット首相は8日、民主主義市民連合系の愛国者ネットワークの代表と行われたカオプラウィハーン問題に関する公開討論の席上で、ネットワーク側から破棄を求められている2000年覚書を破棄する考えが無い事を確認した。
アピシット首相は、カンボジアによるカオプラウィハーン遺跡周辺の国境紛争地の不当な占拠や利用を阻止する上でも2002年覚書は有用であり、それを破棄することはカンボジア側に対して容易な占拠・利用を可能ならしめることに繋がるとして、あらためてネットワーク側の破棄要求を受け入れる考えが無い事を確認した。
ネットワーク側が、覚書によりカンボジアが主張する国境線をタイ側が受け入れたと指摘していることに関しては否定した。
また、カンボジアの住民が紛争地に侵入していることに関しては、国境線上で両国間の衝突を引き起こしている10年来の懸案事項であることを認めた上で、タイの主権を守る為に必要と判断されれば、武力行使による不法侵入の阻止も辞さない考えであることを明らかにすると共にガシット外務大臣に対して防衛省と共同で外交的な手段での問題解決に取り組むよう指示している事を明らかにした。
一方、連合及びネットワーク側は、首相の見解に一定の評価を下した上で、2000年覚書のままではタイ側が領土を失う可能性を完全に拭い去ることが出来ないとして、あらためて覚書の破棄を要求すると共に代わりに1904年にフランスとの間で締結された協定に則りタイ側の主権を主張するべきであると指摘した。
また、第一地区本部前で座り込み活動を展開していたネットワーク幹部のチャイヤワット・シンスウォン氏は、座り込み活動の一時中止を宣言した。
チャイヤワット氏は、座り込み参加者が伸び悩んでいることを一時中止の理由にあげた上で、末端幹部等と今後の活動戦略を練り直した上で活動を再開する考えであることを明らかにした。
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