各報道によると、国家汚職防止取締委員会は16日、アピシット首相の罷免を請求する5件の案件全てを棄却する決定を下した。
アピシット首相は、解散総選挙の際に憲法の精神に反して候補者を擁立しない方針を決定したこと、十分な議席を確保しないまま政府の組織に動いたこと、総選挙の為に入党届けに基づき党員として受け入れたこと、選挙委員会から支給される政党助成金の支出報告を怠ったことが首相の欠格事由になるとして罷免請求が為されていたが、国家汚職防止委員会側は、これら4件に関しては全てアピシット首相が首相に就任する前に発生した案件であるとして、請求を棄却する決定を下した。
また、アピシット首相が、カンボジアによるカオプラウィハーン遺跡エリアの国境紛争地の道路建設を容認したとされる案件に関しては、外務省が継続的にカンボジアに対して警告しており、首相欠格事由となる職務遂行義務違反に該当しないと判断し、同様に罷免請求を棄却する決定を下した。
一方、国家汚職防止取締委員会は、アピシット首相とゴーン財務大臣が現職就任時に国内3社の携帯電話事業会社を通じて無料で就任挨拶のSMSを1,720万の電話番号宛に送信した事が職権乱用に該当するとして罷免が請求されている件に関しては、再度最終判断を先延ばしにする決定を下している。
本案件に関しては、当初15日に最終判断が下される予定になっていたが、その後16日に先延ばしにされていた。
案件の重大性に鑑み、より多くの案件にかかわる情報を収集した上で検討する必要があることを受けた措置だという。
グラーナロン報道官によると、現段階ではSMS送信に関わる民間部門への利益供与は確認されていないが、送信に関与した携帯電話事業会社からより詳細な情報を収集する必要があるという。
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