タクシン元首相はシンガポールのストレイトタイムズとの短時間の電話インタビューの中で、「私は未だ生きている。いまあなたと話しているのは幽霊ではない。」と語っていた事が明らかになった。尚、滞在先に関しては明らかにされてない。
また、インタビューの中でタクシン元首相は、政府は、批判的なメディアを遮断する一方で己のメディアを利用してプロパガンダを展開するなど非紳士的な戦略を使用していると非難していたという。
一方、タクシン元首相は、イギリスのEmerging Marketsが行った独占インタビューの中で、民主的な手続きで首相に就任していないアピシット首相に対して議会解散を要求する為に、平和的な活動を展開している非武装なデモ隊に対して非常事態宣言を発令する必要は無いと指摘すると共に、政府は地方住民の集会参加を妨害したり反独裁民主主義同盟幹部を逮捕する為に全国の軍を操ってバンコクに集結させていると非難した。
また、同盟が要求している議会解散に関しては、自分がアピシット首相だったら解散に応じていたとした。タクシン元首相は、アピシット首相は非常に少数の黄服(民主主義市民連合)が反対を訴えている時に、当時のサマック首相に対して解散しろと訴えていたと指摘した上で、成熟した民主主義というものに馴染んでいるのであれば1人の意見であろうと数千人の意見であろうと耳を傾けるべきであると指摘した。
更にタクシン元首相は、アピシット首相は法を無視し、時に法が法でなく正義が等しくもたらされない状況を作り出していると指摘した上で、法が存在することでは無く法が支配する事が重要であると指摘した。
一方、タクシン元首相は、同盟にいる多くの支持者からの要請に応え助言をしているが、現在の同盟内には自分を嫌っていた民主活動家も多く参加しているとし、また自分に対する批判は自分にではなく、正義と民主主義を求める同盟への支持に跳ね返っていると指摘した。
また、タクシン元首相は、政府は首相官邸や空港を占拠した黄服と赤服を差別し、司法の独立や報道に介入し、黄服側を助ける方向で司法手続きを作用させていると指摘し、また、自分が王室を尊重せず、共和制国家を築き上げ大統領への就任を目指しているとの指摘は事実では無く、我々は王室を尊敬し、誰もそれ以外の事を考える事はないとした。
更にタクシン元首相は、プレーム枢密院評議会議長が選挙委員会に介入し総選挙による国民の判断に対して脅かしをかけていたと指摘し、同議長が独立機関に介入し国家全体を混乱に陥れた張本人の1人であると指摘した上で、アピシット首相が総選挙の実施及び和解推進の為に議会の解散を決断し、選挙結果を受け入れる事が重要であると指摘した。
帰国の可能性に関しては、常にタイ人が最終的に互いを許し合ってきたことからも自分は肯定的に考えているとした上で、3ヶ月以内の帰国に関しては断言できないものの、今年中の帰国が可能であると考えているとした。
しかし、政界復帰する可能性に関しては、もし復帰しないとの選択肢があれば自分は幸せになれるだろう。自分は国際ビジネスマンになりたりと語るに留めた。
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