民主党のアピシット党首は6月30日、憲法を超越した徳があるカリスマが憲法第7条規定により国王陛下に暫定首相の指名を欲している事が政治情勢の悪化を招いた元凶であるとするタクシン暫定首相の発言は、更なる対立の激化を招く不明確な発言であると指摘した上で、タクシン暫定首相の職務遂行の妨害をしているとされるカリスマの具体的な人物名を明らかにするべきであると指摘しました。 この発言に先立ちタクシン暫定首相は6月29日に開かれた、やり直し総選挙を意識し己の指導者としての存在をアピールし、更に官僚の引き締めを図ったとも指摘されている当局幹部や県知事等を集めた会合の席上で、暫定政権を組織し憲法改正を目指す為に憲法第7条の規定に則り国王陛下に暫定首相に任命して貰いたいと欲する、憲法を超越しルールを尊重しない徳があるカリスマが現在の政治情勢の元凶であり、また先にブアンサック内閣秘書長官やウィサヌ副首相が辞任したのもこのカリスマの影響であると指摘した上で、"民主主義の守護者"である自分が首相である限りは、その様な非民主主義的な政変を許すことはしないと語った上で、出席した官僚等に対してルールを尊重し、干渉を排除し中立性を固持しながら職務に邁進するよう要請していました。 この発言に対してアピシット党首は、対立を煽る極めて不適切な発言であると指摘した上で、現在の政治情勢をカリスマに責任転嫁する前にまず己が憲法の精神を重んじず独立機関への干渉を繰り返し、また監視・牽制機能をないがしろにしてきた事が現在の情勢の悪化を招いたという事を自覚し、公正さを旨に職務を遂行する事が民主主義を守ることに繋がると指摘していました。 一方、今回のタクシン暫定首相の発言が、暗に枢密院評議会議長のプレーム・ティンスーラーノン大将(元首相)に対する不快感を表明したものであるとの指摘があることに関し、元首相のチャワリット・ヨンヂャイユット大将は、国民の誰もが尊敬している偉大な人物であるプレーム大将を指した発言であるとは思えないとしたものの、このカリスマ発言は更なる対立を煽るものであるとして、あらためて与野党が直接話し合い、協力し合いながら国家問題の解決に努める事が重要であると指摘していました。
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