軍法裁判所は19日、クーデター発生直前の2007年8月24日に発生したタクシン元首相爆殺未遂事件に絡んで起訴された3人の被告に対して4年6ヶ月から6年の禁固を命じる判決を下した。
起訴されていたのは、爆発物を積載した韓国製の乗用車を運転していたタワチャイ・グリンチャナ中尉、スラポン・スプラディット大佐及びマナット・ソックプラスゥト中佐の3人で、裁判所側は爆発物及び武器類の不法所持でスラポン大佐及びマナット中佐に対して求刑通り6年の禁固及び4,000バーツの罰金の支払いを命じる判決を下し、タワチャイ中尉に関しては、証言が審理の進行に貢献した事を情状酌量し6年の求刑に対して4年6ヶ月の禁固及び3,000バーツの罰金の支払いを命じる判決を下した。
しかし、タクシン元首相の暗殺未遂に関しては、爆発物を積載した乗用車を運転していたタワチャイ中尉が起爆用の装置を所持していなかったこと、また、ターゲットとされたタクシン元首相を乗せた車が既に通過した後だったことから証拠不十分であるとして無罪の判決を下している。
この事件に関しては、使用された乗用車が販売台数が限られた目につきやすいDaewoo社製のものだったこと、また、積載されていた爆発物が起爆できない状態にあったにも拘わらず政府側が必要以上に爆発物が起爆できる状態にあった事を強調したこと等から、政府側が仕組んだ自作自演だったのではないかとの見方もされていた。
尚、取り調べ段階で暗殺未遂計画に参加していた事を認めると共に他の容疑者の逮捕に繋がる供述を行ったチャトリック・チャントラー曹長は、検察側の重要証人として不起訴処分になっていた。
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