タクシン前首相の天敵として知られるタンマサート大学社会人文科学部教授のティーラパット・ブンミー氏は17日、政府の1年間の職務成果に対して落第点の評価を下すと共に、次期総選挙後には民主党を中心とした旧野党連合による連立政権が誕生するとの見通しを示した。 昨年9月19日に発生したクーデター後に成立したスラユット政権に対して「残業政府」との名称を与え、向こう1年間の職務成果に期待を寄せていたティーラパット氏は、政府に対して暫定政権という立場に甘え、国内からの汚職一層という理想に対して明確な方向性を示さず、元官僚やテクノクラートは国家を導くことが出来ない階級であるとのレッテルを残すという実績しかあげていないとして、全ての点で落第点の評価を下した。 また、国家安全保障評議会に関しては、かろうじて及第点の評価を与え、またソンティ議長に対しては良く決断し努力した点を評価し及第点としたが、ソンティ議長の政界入りに関しては、政党による国内問題の解決を望む国民の考えに反しているだけでなく、同議長が政界入りする事は政治の舞台で終わり無き伝統演劇を演じ続ける事により軍の威信を失墜させる事に繋がると指摘した。 更に、国家毀損行為特別調査委員会に対しては、前政権による汚職行為を掘り起こした点で合格点を与える事ができるとしたものの、最終的な評価はタクシン前首相関連だけでなく、その他の前政権関係者の汚職の掘り起こし如何にかかっているとした。 一方、次期総選挙に関しては、タクシン体制が一掃されたか否かを決する要素が強いことから、買収を始めとした汚い選挙戦が激しく展開されるとしたが、旧タイ・ラック・タイ党系のパラン・プラチャーチョン党に関しては、実業、社会、政治何れの面に於いても同党が孤立していること、また、政府を組織できるに足る下院議員を確保できる見通しが立たないことから、政権を奪取する事は出来ないとの考えを示した。 その上で、ティーラパット氏は、民主党を中心にした旧野党連合三党の連立政権が総選挙後に誕生する可能性が高く、また首班には経済に対する明確なビジョンを持ち、迅速な職務遂行能力を持ち、地方住民や実業家の心を掴む事が出来、安定した連立政権の運用が可能な政治的基盤を持つ人物が就くことが望ましいと指摘した。 参考
前首相の天敵、「残業政府」に期待【Coup D'etatの最新記事】
タイの地元新聞を読む