証券取引監視委員会は昨日、タクシン首相一族のシン社の保有株式売却問題に絡んで、首相の長男のパーントーンテー氏が証券及び証券取引法に違反しアンプル・リッチ社に信託されたシン社の株式を間接的に保有していた事実の報告を怠っていたと認定する調査結果を明らかにしました。これにより正式に報告義務違反及び経営権に関わる25%以上の株式をTOBを経ずして直接・間接的に所得した公開買い付け義務違反が認定された事になります。
この、予想通りの調査結果に対して、民主党側は国の利益より特定一族の利益を優先した判断であると非難しました。
因みに、報告義務違反に対しては最高で2年の禁固若しくは未報告期間について一日あたり1万バーツで計算し最高で50万バーツを超えない罰金が科せられる事になっていますが、余程悪質でない限りは禁固刑に処せられることはないことから、"僅かな"罰金の支払いだけで済むと見られているようです。また、同じくアンプル・リッチ社から株式の売却を受けた長女のピントーンター氏に関しては報告義務違反に該当しないとの認定が下されています。
一方、アンプル・リッチ社との取引がインサイダー取引に該当するのではないかと指摘されている問題に関しては、同社が保有していた株式は価格操作目的ではなく信託目的で保有されていたもので違法性は無く、また保有株式売却に先立って同社に信託された株式の"売却"を受けた行為は、信託側・買い受け側何れも不可分の同一人物が行っており、更に取引により第三者に損害を与えたり不利な状況に陥れる事もなかったことからインサイダー取引には該当しないとの認識を示していました。因みにインサイダー取引と認定された場合は最高で300億バーツの罰金が科せられる事になっています。
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