タクシン首相の辞任を求め首相官邸前でデモ活動を行っている民主主義市民連合は、官邸への入り口4ヶ所を塞ぎ、本日10時に官邸入りするタクシン首相に直接辞職を要求する書面を渡す方針を明らかにしました。
尚、タクシン首相は国王陛下即位60周年式典の打ち合わせの為に本日官邸入りする予定になっているようですが、連合側は国王陛下に対する敬意に欠け、しかも国王陛下の権威を侵害してきたタクシン首相が式典の主催責任者を務めるのは極めて不適切であると指摘した上で、国民一致団結の元で国民が主催者となった世界に誇れる式典を実現する上でも国内対立の元凶であるタクシン首相は辞職するべきであると指摘していました。
一方、1992年5月20日の歴史的拝謁シーンをそれぞれが都合良く考え、相手を攻撃する材料に使われている事に強い懸念を表明していたプレーム枢密院評議会議長は昨日19時過ぎ緊急記者会見を開き、「現在の不安定な情勢に関係している、それぞれが知識を持ち国の事を考えている社会的に地位がある者達は、それぞれが果たすべき役割を認識し、最善な形で国家・国民に利益をもたら事に注力するべきである。いまこそ、国家の為にそれぞれが協力し合い如何に現在の状況を解決するか考えるべきである」という内容の声明を発表しました。
この声明を受け、民主主義市民連合は、これは国に対立をもたらし不安定な情勢をもたらした元凶であるタクシン首相に向けられた言葉であるとして、今後も断固たる姿勢で首相の辞任を求める方針を明らかにしています。
一方、スラポン政府報道官は声明を受け、あらためて連合を交えた密室での対話を推し進める方針を明らかにしていますが、常日頃「衆愚の法理には屈しない。全ては民主主義と法律に則って進めていく」と語り連合に対して強硬姿勢を示しているタクシン首相と、強行に辞職を求めている連合との間で国家の利益の為の"合作"が成立するかに関しては、依然不透明な状況にあると言えるかもしれません。
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