昨日20時に、各局一斉に1992年5月20日に行われた当時首相だったスヂンダー・クラープラッユン大将と当時の市民運動リーダーだったヂャムローン・シームゥアン少将との歴史的拝謁のシーンが放映されたことを受け、この放送は国家国民の事を念頭に置き両者が和解に努めるべきであるとの国王陛下のメッセージだと受け止める声がある一方で、これは国王陛下から言われない限りは首相を辞めないと言っていたタクシン首相への国王陛下からのメッセージであると受け止める声も上がっていたようです。
放送は、「異なった考や様々な考えが国内に存在している中で、あらゆる階層の国民が国内が不穏な状況に至ることを懸念している。いまこそ全ての階層に(この時の事を)思い起こして欲しい」とのコメントの後で、両者が国王陛下に拝謁しているシーンが映し出されていたもので、一部報道によると、放送は王室からの要請に基づき陸軍系のch5の呼びかけで急遽昨日放送される事が決まり、読み上げられたコメントは法務省副次官のトントーン・ヂャンタラーンス氏が書いたものだったとされているようです。
尚、民主主義市民連合側は、当時の国王陛下のお言葉を胸に抱き非暴力を旨に3月14日の官邸前でのデモ行動を完遂する方針を明らかにしていました。
一方、今回の放送に関して、同連合幹部のソンティ・リムトーングン氏は、この放送は危機的状況に向かいつつある国家の為に当時のスヂンダー大将のようにタクシン首相に辞職するよう勧告する国王陛下のメッセージであるとの認識を示していました。
また、当事者の一人であるスヂンダー大将は、いまこそ(枢密院評議員等の)最も信頼できる仲介者を介して両者が解決に向けた話し合いを行うべきであるとの国王陛下からのメッセージであるとの認識を示しました。
因みにスヂンダー大将は、歴史的な拝謁の後に流血事件に関与した関係者に対する恩赦令を布告して首相を辞任し、暫定内閣を経て成立した第一次チュワン政権によって、この恩赦令が無効であると一端は判断されたのですが、その後特別委員会の審議により恩赦令は依然有効で関係者に対する訴追は不可能であるとの判断が下され議論を呼ぶなんてこともありました。
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