旭化成(東京都千代田区)は15日、原料高と需給環境の悪化により、繊維・樹脂原料を製造・販売するタイの関連会社PTT アサヒ・ケミカル(PTTAC社)の事業を終了すると発表した。同日開催したPTTAC社株主総会で決議した。
同社によると、10月31日に工場の生産を終了。12月31日に販売を終了し、2025年から2028年にかけて工場設備の撤去工事を実施する。撤退に伴い発生する費用は、2025年3月期第2四半期決算(2024年11月1日公表)の「2025年3月期の連結業績予想」に織り込み済み。
PTTAC社はタイの石油化学会社PTTグローバル・ケミカル(PTTGC社)との合弁会社。旭化成とPTTGCが50%ずつ出資して2006年に設立。東部ラヨーン県の工場で、東南アジア顧客向けに繊維・樹脂原料のプロパン法ANやACH法MMA、硫安を製造・販売していた。従業員は235人。
同社は2022年頃から、長期化する経済環境の低迷と原料高による競争力の低下、中国での生産能力の増強を背景とする需給環境の悪化により、厳しい業績が続いていたという。