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　福島県浪江町で酒蔵を営む鈴木酒造店は7日、浪江と震災による避難先（山形県長井市）の酒を活用した貴醸酒２種「故郷ふたつ海」「故郷ふたつ山」のタイ輸出を開始したと発表した。

　タイ・バンコクの一つ星レストラン「Haoma」で、来年１月から「故郷ふたつ海」が提供される。Haomaはタイの食材を使用した創作インド料理店。

　鈴木酒造は2011年の東日本大震災により建屋が流出。酒蔵は福島第１原子力発電所から７キロメートルの場所に位置し、非難を余儀なくされた。震災から10年後、浪江に帰還するまで、避難先の山形県長井市の蔵で浪江の酒を造ってきたという。

　「故郷ふたつ海」は、長井蔵で作った酒を浪江蔵で醸造。「故郷ふたつ山」は、浪江蔵で作った酒を長井蔵で醸造した。

　同店を支援する福島相双復興推進機構は、タイ輸出が浪江町の文化と復興の努力を世界に伝える一歩だとし、町の復興と風評被害払拭を目指すとしている。