KADOKAWA(本社:東京都千代田区)は21日、日本のマンガなどのタイ語翻訳作品約2万点を配信する電子書籍サービス「BOOK☆WALKER Thailand」を、2023年3月下旬に開始すると発表した。同社の海外進出は米国、台湾に続き3カ国目で、タイへの進出は日本の電子書籍サービスとして初となる。
BOOK☆WALKER Thailandへの投資額は5億円超。同社は、数年以内に事業単体での黒字化を目指し、ベトナムやインドネシアなど東南アジア圏への進出を強化する計画だという。
集英社、講談社、小学館、KADOKAWAなど日本の出版社がライセンスアウトしているタイの出版約10社との契約を進め、翻訳作品を現地通貨・バーツで販売する。サービスはiOS、AndroidアプリとWebで展開。アプリでは各OSの決済でポイントを購入し、そのポイントで各作品が購入できる。Webではクレジットカードや、現地で普及率の高いQRコード決済で購入できる。閲覧は各アプリに加え、Webブラウザでも可能になっている。
タイでは、日本でのアニメ放送や出版物発売とほぼ同時に、動画配信サービスで翻訳版を展開するサイマル配信が普及。コロナ禍の巣ごもり需要も相まって、20代を中心に日本のマンガやラノベ需要が急増している。一方で正規版の流通が追いつかず、海賊版サイトの横行が問題となっており、同社は日本とのサイマル販売を進めることで、海賊版対策につなげたいとしている。