タイ商工会議所大学(UTCC)経済ビジネス予測センター(CEBF)は、今年2010年5月の消費者信頼感指数が前月の75.0から75.5に上昇したことを明らかにした。経済全般、求職機会、将来の収入の信頼感指数は、それぞれ前月の67.2から67.6、66.5から66.9、91.2から92.1にそれぞれ上昇した。
マイナス要因は、反政府デモによる影響で心理的にプレッシャーを与え、政治・経済情勢が不安定化したこと、タイ各地で渇水問題が拡大したこと、SETINDEXの下落、バーツ安、マブタプット地区の投資プロジェクト問題など。
一方プラス要因は、タイ国家経済社会開発局(NESDB)が今年第1四半期(1-3月)のGDP成長率を前年同期比12.0%と発表したこと、タイ中央銀行(BOT)が今年通年のGDP成長率見通しをプラス4.3%~プラス5.8%で据え置いていること、景気促進政策「タイ・ケムケン計画」の資金が経済市場に投入され始めたことなど。
タイ地元紙によると、CEBFタナワット所長は、反政府デモが解散し正常化に向かっているものの、雇用状況が依然低調であることから、タイ経済は回復したとは言えないとしている。もし政府が進めている和解案が実行されれば、政治情勢及び各信頼感は上昇、消費動向は今年第3四半期(7-9月)までは横ばいで推移するものの、同年第4四半期(10-12月)に回復が予想されている観光・輸出業につれて上昇する見通しとしている。