経営コンサルティング会社A.T. カーニー(東京都港区)のマクロ経済部門シンクタンクであるグローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシル(米国バージニア州、以下GBPC)の調査で、今後3年間で投資先として魅力のある国上位25市場に、タイが3年ぶりにランクインした。日本は昨年の4位から3位に上昇した。
同社はこのほど、「2026年海外直接投資信頼度指数(The 2026 Foreign Direct Investment Confidence Index®、以下FDICI)」の調査結果を公表。投資家の88%が、今後3年間で海外直接投資を増加させると回答。地政学的緊張の激化や産業政策の拡大、技術競争の加速といった不確実性が高まる中でも、企業は対外投資に対して積極的な姿勢を維持していることが明らかになった。
一方、今後1年間で最も可能性の高いリスクとして、地政学的緊張の高まり(36%)や、資源価格の上昇・先進国市場における政治的不安定性(30%)が挙がった。中東紛争の激化が世界の投資環境に不確実性を与えている。
2026年海外直接投資信頼度ランキングは、1位:米国、2位:カナダ、3位:日本、4位:中国(香港含む)、5位:ドイツ。
日本は、昨年の4位から3位へ上昇。12年連続でトップ10入りを維持した。投資家の43%は技術革新を主な投資理由に挙げ、経済成長の回復(2025年1.2%成長、 2024年マイナス0.2%成長)や、政府による対日直接投資策の推進が、投資家心理を後押ししたとみられる 。
日本は投資先としての楽観度(楽観的と回答した割合と悲観的と回答した割合の差分)ランキングでも2位に位置。投資家の前向きな見方の強さがうかがえる。
また、アジア太平洋地域が上位25市場中10市場を占め、10年以上ぶりに地域別で最大のシェアを獲得した。日本や中国の上位入りに加え、シンガポールが15位から8位へ躍進。韓国(11位)やインド(22位)も順位を上げた。
さらに、タイ(20位)が3年ぶり、マレーシア(21位)が12年ぶりにトップ25に再ランクイン。投資先としてアジア太平洋地域の魅力が高まっている。また、同地域に対する投資家の楽観度は全地域の中で最も高かった。
同社は、こうした「ミドルパワー」経済の台頭が、グローバル・サプライチェーンの再編と相まって、戦略的な投資拠点としての重要性を増しているとしている。