タイ南部ソンクラー県では5日、地元の人気大会「バッタの鳴き声コンテスト」が開かれ、約1000匹のバッタが「歌声」を競った。
公共放送PBSの報道によると、同県サバーヨーイ郡で開かれたコンテストには約1000匹のバッタが参加。賞品には牛、スマートフォン、草刈り機、寝具セット、扇風機、炊飯器などが用意された。
深南部4県では、バッタの鳴き声大会が昔から開催されていたが、政情不安により20年近く実施されていなかった。サバーヨーイ地区事務所は、地元指導者と協力して大会を主催。テロなどの騒乱で長年中断されていた大会を復活させることが目的。
夕方に参加登録が始まると、参加者はバッタを持ち寄り、1匹50バーツで登録。コンテストは午後9時開始で、村人らによると、バッタが最も「良い声」で鳴くのがこの時間帯だという。
主催者は、審査員1人が約50匹を担当し、1回1分で2回戦実施するとルールを説明。バッタが鳴くと得点となり、2回戦の得点の合計点を競う。
主催者は、公平性を担保するため、審査員を地域外の出身者で構成すると述べた。バッタを驚かせずに静かに歩き回って音を聴く技術が必要で、鳥類コンテストでの審査員経験を持つ人などが適任だという。また、出場するバッタも地域内か近隣で捕獲されたものに限定した。
大会の復活は、地域社会の結束と協力、地域外の参加者との連携促進、収入の点で前向きな動きだ。ココナッツの殻を原料にしたバッタ用の虫かごを販売したり、森でバッタを捕まえて売る子どもいるという。