タイ赤十字社と王室局は24日午後9時21分、バンコクのチュラロンコーン記念病院でシリキット王太后陛下(93歳)が崩御したと発表した。王太后陛下は17日に感染症を発症し、治療中だった。
バンコク・ポストなどの報道によると、同病院の医師チームは、2019年9月から陛下の健康状態を監視。継続的な医療が必要な複数の疾患や、器官系の異常があると発表していた。陛下は今月17日、血流感染症を発症。治療を続けていたが、容体が悪化した。
ワチラーロンコーン国王陛下(ラーマ10世)は、王室の伝統に従い、王太后陛下の葬儀を最高の栄誉をもって執り行うよう事務局に指示。遺体はバンコクの王宮内にあるドゥシット・マハ・プラサート王座殿に安置する。崩御の日から1年間、王室と王室関係者は喪に服す。
王太后は、1982年8月12日、ナッカトラ・マンガラ王子とブア・キティヤカラ王妃の娘としてバンコクで生まれた。フランス留学中、学業のため滞在していたプーミポン・アドゥンヤデート国王(ラーマ9世)と出会い、婚約。1950年に結婚した。
王太后は、国民の福祉や農村開発推進、女性のエンパワーメント、伝統工芸の保存に尽力。国王の地方視察に積極的に同行し、笑顔で振る舞う姿が国民からの人気を集めた。誕生日の8月12日は「母の日」に指定されている。
1963年5月には、プーミポン国王と共に日本を公式訪問。1981年5月、1993年4月、1997年9月にも日本を非公式訪問している。