タイ人権委員会は、カンボジアが自国の兵士の遺体を回収せずに放置し、人道と衛生の観点から問題だとカンボジアを非難した。
マティチョンの報道によると、タイ軍指令本部のスラサン副報道官と、外務省情報局のマラティー副報道官は、4日開催したタイ・カンボジア国境情勢管理特別作戦センターの会合結果を政府庁舎で公表した。
タイ・カンボジア両軍共に大きな動きはなく、陣地を維持しているが、カンボジア側は陣地を変更し、ムアンタム遺跡(ブリーラム県)、古代寺院タークワイ、チョンドーンアオ、チョンアンマ、チョンタータオ、サッタソーム、プーピーの各地点で、主力部隊を増強したと報告があったという。
増援は各地域で失った戦力を補充するもので、カンボジア側に大きな損失が出ていることを示唆していると説明した。
また、カンボジア兵20人を収容し、うち2人は既に送還したと報告。18人はタイの管理下にある。カンボジア人権委員会は、カンボジア兵の拘留が国際法違反だとして、国連人権高等弁務官事務所に苦情を申し立てているが、タイはジュネーブ条約に基づき、適切に捕虜を取り扱っていると反論した。
続いて、カンボジア兵の遺体について、カンボジア政府と軍が「無関心だ」と非難。国境地域のカンボジア側でカンボジア軍が遺体を放置しているため、国境周辺に異臭が発生し、住民が避難していると話した。カンボジアでは行方不明になった兵士を探す家族もいるため、人道と衛生の観点で問題だと指摘した。
タイのナタポン国防相代行は、カンボジア国防省に対し、遺体を迅速に収集するよう要請。長期間放置すれば、伝染病の原因となると話した。