タイ刑事裁判所は15日、3月28日に発生したミャンマー大地震の影響で、バンコク都で建設中の国家会計検査院ビル(チャトゥチャック区)が倒壊した事件で、建設に関わった17人に、業務上過失致死の疑いで逮捕状を承認した。
マティチョンなどの現地メディアによると、同裁判所は、設計会社(フォーラム・アーキテクト社、マインハート・タイランド社)と、監督会社、建設請負会社(イタリア・タイ開発会社、中鉄十局)の17人に対する逮捕状を発行。
17人の中には、イタリア・タイ開発会社の会長であるプレームチャイ容疑者と、中鉄十局の中国人取締役チュアン・リン・ジャン容疑者も含まれている。
当局は書類と目撃証言による調査から、国家会計検査院ビルの建設計画は、省令や安全基準に適合していなかったと判断した。エレベーター用の縦穴空間が、建物内の中央ではなく、端に配置されていたことが判明。地震の揺れでエレベーター用の縦穴構造と基礎の柱が同時に損壊し、建物全体が急速に崩壊したと結論づけた。
地震発生時、ビル建設のため105人が内部で作業していた。9人が負傷して病院へ搬送され、96人が行方不明となり、捜索隊はこれまでに89人の遺体を収容した。犠牲者の国籍はタイ、ミャンマー、カンボジア、ラオス。