タイ特別捜査局(DSI)は、ミャンマー大地震で倒壊したバンコクの国家会計検査院ビルの建設請負会社である中鉄十局(チャイナ・レールウェイ10号)の中国人取締役チュアン・リン・ジャン容疑者を、タイ人名義を使って株式を保有する外国人事業法違反の疑いで逮捕した。
マティチョンなど現地報道によると、DSIは、バンコクのラッチャダーピセーク地区にあるホテルで、チュアン容疑者を逮捕。DSI職員は通訳を介して、逮捕令状を伝えた。チュアン容疑者は逮捕の際、少し驚いていたという。
またDSIは、中鉄十局に名義を貸した容疑で、タイ人のマーナット容疑者、プラチュワップ容疑者、ソーポン容疑者の3人の行方を追っている。
書類上では、中国人のチュアン容疑者が同社株式の49%、タイ人の3人が51%を保有。DSIは3人の資産状況から、3人が議決権を有する株主とは考えにくいと見ている。51%の株式の内訳は、ソーポン容疑者40.7997%、プラチュワップ容疑者10.2%、マーナット容疑者0.0003%。
倒壊した国家会計検査院ビルは、中鉄十局とイタリア・タイ開発公社の合弁会社が建設中だった。3月28日に発生したミャンマー大地震により倒壊。現在も行方不明者の捜索が続いている。
またタウィー・ソッドソン法務相によると、DSIは、中鉄十局とイタリア・タイ開発公社を、談合の疑いで告訴を検討しているという。