在タイ日本国大使館によると、隣国ミャンマーで28日、午後1時20分(現地時間)にM8.2、同32分にM7.2の地震が発生した。震源地はヤンゴンに次ぐ国内第2の都市、中部マンダレー。震源の深さは約10km。バンコクを含むタイ各地でも揺れを感知。チャトゥチャック地区で建設中の国家検査局の30階建てビルが倒壊した。30日午後8時30分時点で、少なくとも18人が死亡、78人が行方不明。
現地報道によると、バンコクでは多くの商業施設や交通機関が一時閉鎖や運休を発表。建物内から避難した人が広場や歩道に集まり、高層ビルなどを不安そうに眺めたり、スマートフォンで情報を集めたりする姿が見られた。
震源に近い北部チェンマイでも大きな揺れを感知。高度三次医療病院のマハラジ・ナコーン・チェンマイ病院では、患者らが高層ビルから安全な場所に避難。商業施設やオフィスビルでも揺れを感じ、建物内から全員が避難した。
ミニマートで勤務中に地震に遭ったサイさん(76歳)は、「客と一緒に急いで店から飛び出した。人生で経験した中で最も強い地震だった」と話した。
北部ピッサヌローク県ムアンピッサヌローク郡のブッダチンナラジ病院の医師は、「地震で大混乱が起きた。病院は5分間揺れ続けた。医師や患者を含む全員が安全のために逃げた」とフェイスブックに投稿した。
災害予防・軽減局によると、バンコクのほかサムットサーコーン、チェンマイ、チェンライ、プレー、メーホンソーン、ランパーン、チャイナット、ランプーン、ルーイ、カンペーンペットの10県で被害が発生しているという。
一方、震源のミャンマーでは、首都ネピドーなど各地で道路の陥没や建物の崩壊が発生。少なくとも1600人以上が死亡。ミャンマーは内戦中だが、反軍事政権政府の国民防衛隊(PDF)は、人道支援のため2週間の停戦を発表している。
ミャンマーでは比較的多くの地震が発生。1930年から1956年の間に、中央を南北に走るザガイン断層付近でM7以上の地震が6回あった。