タイ憲法裁判所が7日、最大野党・前進党の解党を全会一致で決定した判決について、米国と欧州連合(EU)などは声明を発表し、「2023年5月の総選挙で前進党に投票した1400万人以上のタイ国民の権利を剥奪し、タイの選挙制度に疑問を投げかける」と深刻な懸念を表明した。
カオソッドなど現地報道によると、米国務省は「判決はタイの民主主義制度に対する脅威であり、民主的な未来を求めるタイ国民の願望に反する」と発表。
米国務省のマシュー・ミラー報道官は、米国は特定の政党を支持する立場を取っていないが、永続的な絆を持つ同盟国・友人として、タイ国民が平等に政治参加し、民主主義と表現の自由が守られることを望むと述べた。
EUは声明で、「タイの政治的多元主義に対する後退」と発表。政党と候補者の多数姓が無ければ、いかなる民主主義制度も機能しないと指摘した。
国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルは、判決を「不公正な判断だ。タイ政府が約束した国際人権規約を無視した行為で、表現の自由に反する」と批判。野党政治家に対する脅迫行為は、タイ政府の「世界の人権を主導する」という宣言に反すると述べた。