タイ疾病管理局(DDC)は11日、洪水による急性熱性疾患「レプトスピラ症」が増加していると発表し、洪水や泥の中を歩かないよう注意喚起した。
厚労省によると、レプトスピラ病はレプトスピラ菌による急性熱性疾患。ネズミやイヌ、家畜などの哺乳動物の尿から排泄され、土壌や水を数週間にわたり汚染する。大雨や洪水のあとは、汚染水が溜まったりネズミと接近する機会が増えたりするため、感染の危険性が高くなる。
DDCによると、今年の累積感染者は2452人で、死者は26人。症例のタイ版は洪水が発生した南部9県と北部8県で報告されている。今後も症例数は増加し、10月頃にピークを迎える見込み。
また洪水に関連した疾病として、汚染された土や空気、水と接触することで感染する細菌感染症の類鼻疽(メリオイドーシス)も増加傾向。主に東北部で2399人が感染し、68人が死亡した。
DDCは、洪水の中を長い間歩いたり、泥に直接触れたりしないよう注意を呼び掛けている。
8月16日から9月8日までの供水と土砂崩れによる死者は合計29人(溺死15人、土砂崩れ13人、感電死1人)。死者の年齢は45~59歳。
またDDCは、新型コロナウイルスやインフルエンザの患者は減少傾向と報告。サル痘の累積感染者は835人で、死者は13人(1.6%)。タイ初の重症型であるグレード1の感染者はすでに完治した。