海外歴訪中のセター・タビシン首相は22日、東京に到着した。首相の公式SNSによると、首相は23日、ソニーや三井物産、味の素、ニデック、三菱UFJ銀行、ソフトバンクなどの企業幹部と相次ぎ面会した。
セター首相は23日、三井物産の幹部と面会。バイオ燃料生産へ向けたタイでの共同研究の提案を受け、タイ政府が進めるグリーン・トランジション(環境配慮・持続可能な社会への移行)と再生可能エネルギー政策に沿った胸躍る始まりとなったと述べた。
続いてセター首相は、味の素の幹部と面会。バンコク・ポストの報道によると、同社ははタイへの投資を拡大し、同社の調味料の主原料として使用される高品質のキャッサバの開発を継続的に支援する意向を表明した。
ソニーは、中部パトゥムターニー県バーンカディー工業団地で3月に新棟を稼働したデータセンター向け半導体レーザーや車載用イメージセンサーなどの生産工場について、第4工場の開設を計画。セター首相は、同社幹部から計画について説明を受け、投資に対して謝意と支援を伝えた。
セター首相はまた、アユタヤ銀行の主要株主である三井UFJ銀行や、ソフトバンクの幹部と面会。両社は、地政学的にリスクの高い国から、中立のタイへ生産拠点移転を多くの日本企業に検討してもらうため、タイ政府や投資委員会と協力する用意があると述べた。
ニデック(旧日本電産)との面会では、人工知能を活用した新製品の生産へ向け、同社がタイへの投資を拡大する計画について説明を受けた。セター首相は、タイ政府が推進する重要産業である電気自動車(EV)部品の生産に、追加投資を検討するよう求めた。