タイ南部プーケット県で先週発生した、スイス人男性によるタイ人女性医師に対する暴行事件が波紋を広げている。地元では住民数百人が抗議集会。スイス人男性のビザ延長を当局が認めない可能性も出ている。
ザ・ネイションによると、事件は2月24日午後7時30分ごろ、タラーン地区にあるヤム・ビーチで発生。女性医師と友人が、ビーチ沿いにあるスイス人男性の別荘に続く階段に座っていたところ、スイス人男性はスマートフォンで動画を撮影しながら女性の背中を蹴り、叱責したという。女性医師と友人は翌25日、警察署に告訴状を提出した。
タイラットの報道によると、プーケット県知事は各警察署に対し、県内に滞在している外国人のリストを作成するよう指示。入国管理警察によると、スイス人男性はタイ国内で事業の営業が可能な正規のビザを所有。3月13日でビザの期限が切れるため、延長の可否を審査する。タイへの再入国を認めないブラックリスト入りする可能性もあるという。
スイス人男性はプーケットのゾウ保護区の所有者。タイ国内で多数の事業を運営し、自身の名前で財団登録もしているという。
警察の捜査で、別荘の階段は公有地だと判明。スイス人男性と妻のタイ人女性は、階段の取り壊し命令を受けた。
スイス人男性は、事件に関わる全てのタイ人に謝罪。私有地だと信じていた別荘の階段に毎週多くの中国人が「不法侵入」し、タイ人の妻を暴行するのではないかと心配していたと語った。警察の捜査に対し、スイス人男性は暴行容疑を否認している。
地元住民らは3日午前、スイス人男性に対する抗議集会を実施。フェイスブックを通じて約300人が集まり、英語で「出て行け」などと書いた横断幕を掲げた。