タイのTTBバンク経済分析センターは8日、2023年のバンコク都と隣県のコンドミニアム(分譲マンション)市場は縮小傾向にあり、譲渡規模は8.4~12.5%縮小すると予測した。物価上昇による経済的負担から、Z世代は分譲より賃貸を選ぶ傾向にあるという。同分析センターは、各企業はターゲット層を増やすため、核家族向けの高層住宅を開発するべきだと分析した。
同センターは、バンコク都と隣県の住宅市場は、全国の譲渡額と比べて明らかに減少していると指摘。メインターゲットのZ世代は独身者が多く、収入にも見合わないため不動産を購入する傾向が低いと分析した。
また製造コスト高騰などにより、コンドミニアムの価格が上昇していることも要因に挙げた。バンコク都と隣県のコンドミニアム価格は、2018年と比べて29%上昇しているという。一方で賃貸価格は7%低下しており、需要が増加しているとした。
同分析センターはレポート内で、住宅不動産産業はタイ経済にとって重要だと指摘した。2022年の譲渡額は1兆5000億バーツで、過去最高を記録。主な市場拠点はバンコク都と隣県で、譲渡額は6500億バーツ、全国の61.9%を占めた。