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　在タイ日本国大使館は12日、タイ中部カンチャナブリー県パノムトーウン郡の国境警備警察学校職業訓練センターに、キノコ栽培所整備のため266万3千バーツを支援したと発表した。卒業後の自立へ向けた職業訓練に活用する。

　支援は草の根・人間の安全保障無償資金協力によるもの。栽培施設の4工場と機材整備に充てられる。11日に引渡し式典が行われ、カンチョル・インターラーム第1職業訓練センター長、プラゴーブ・ポルテチャ第3国境警備警察長官、在タイ日本国大使館の大場雄一次席公使ら関係者が出席した。

　同大使館によると、支援地域は国境付近の山岳地帯。農業に適した土地が限られることから、窃盗や麻薬の売買などの違法産業が深刻な課題になっているという。同職業訓練センターでは、生徒たちが卒業後も違法産業に頼らず生計を立てられるよう、栽培が容易で販売収入が得やすいキノコ栽培の研修を実施している。

　一方、従来の研修では十分な設備が無く、苗床を購入して育成するのみに留まっていた。栽培所整備により、キノコ栽培の全行程を実施できるという。同大使館は、「国境地域にキノコ栽培が根付くことで、同センターの卒業生と家族の経済的自立を助けたい」としている。