22日午後1時30分ごろ、タイ中部ペッチャブリー県ムアンペッチャブリー郡の住宅街で男が銃を乱射し、近くにいた配達員や大学生3人が死亡、通りかかった近隣住民や警官ら3人が負傷した。男は銃を持ったまま住宅に立てこもって発砲を続けていたが、23日未明に警察の特殊部隊が住宅に突入し、銃撃戦の末に男を射殺した。バンコク・ポストなどタイ各紙が報じた。
男は職業不詳のアヌワット容疑者(29)。約100人の警察官が22日夜、容疑者が立てこもって発砲を続けている住宅を包囲した。容疑者の母親が拡声器を使って投降を呼びかけたが、容疑者は拒否した。
23日午前1時ごろ、警察の特殊部隊が立てこもっている住宅を囲み、容疑者と射撃戦になった。特殊部隊は後退してドローンで偵察したあと、午前3時30分ごろ再び住宅に突入。射撃戦の末、住宅の2階で容疑者を射殺した。事件発生から約15時間が経っていた。
アヌワット容疑者は、近所に住む学生への暴行容疑で、2022年11月に起訴されていた。22日には3回目の審理が予定されていたが、容疑者は出廷しなかった。銃撃で犠牲となった学生は、裁判の原告と証人だった。
警察によると、アヌワット容疑者の名前で登録された拳銃が、容疑者の遺体の近くで見つかった。大量の弾丸を購入したインターネットの記録もあり、犠牲になった3人は頭と身体に30発以上の銃撃を受けていたという。警察は容疑者を射殺した判断について、「被害をこれ以上の拡大させないため」と説明。突入は周辺住民を避難させてから実行したと述べた。